林隆三さん、亡くなったね。
NHKの「天下御免」のちょっとトボケた味わいのあるキャラ、よかったなぁ。
盲目の津軽三味線奏者・高橋竹山をモデルにした映画「竹山ひとり旅」もよかった。すごい色気だった。
もう、数え上げたらきりがないくらい良い作品、良いキャラがいっぱいあるね。
82年くらいだったかな、森繁さんが吉田茂を演じたドラマに林さんも出いて、現場で生芝居を見ていた僕は圧倒されたっけ。スタッフから自然に拍手が沸いたもの。正直、森繁さんの芝居より良かった。
後年、「SFサムライ・フィクション」(99)って映画に出演をお願いしたんだけど、いろんな事情があったらしくて、叶わなかった。でも、完成試写会には来てくれてて、いい方だなぁ……と。
ホント、色気のある、いい役者さんをなくしたなぁ。
ご冥福をお祈りします。
- 2014/06/10(火) 19:15:12|
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谷啓さん、亡くなったね。
「サムライフィクション」で、忍者の首領を演じていただいた。
天井裏から座敷に降りてきてよろけるシーン。あれほど完璧に演じられる人はいないと思った。
数年後、テレビ局の控え室でご一緒した時にその話をしたら、はにかんだように笑っていらした。
76歳。まだ全然、早すぎる。
- 2010/09/12(日) 16:44:19|
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ミッキー・ロークでショーン・ペンを思い出した。
おととしのアカデミー賞だったかな、また主演男優賞をショーン・ペンが獲ったね。
そのとき、ロークもノミネートされてて(ゴールデン・グローブはロークが獲ってた)
ペンが、最前列にいるロークを指して、
「ミッキーの演技はよかったぜ、奴はオレのダチなんだ」
というようなことを言ってた。
ペンの監督作にもロークは出てるしね。
ロークは嬉しそうに微笑んでいたな。
ショーン・ペンも暴力事件で捕まったりいろいろモンダイ起こしてるけど(実はパパラッチの方が加害者なのかもしれないね)
こっちは俳優としても監督としても順調にキャリアを積んでる。
ペンの監督作も好きだな。
ペンを最初に「こいつはいいな」と思ったのは陸軍幼年学校での学生たちの反乱を描いた「タップス」。
主演はティモシー・ハットン(「普通の人々」以来、どうなってんのかな。日本で知られてないだけで何かの道で活躍してんのかな)
ちなみに、トム・クルーズも単細胞マッチョの役で出てます。
ペンで次に印象的だったのは「初体験リッチモンド・ハイ」で、いつもラリってる高校生役がよかった。
前の奥さんのマドンナが、再婚してるくせに、堂々と「本当に愛した男はショーンだけ」とか言ってた。
ちなみに、マドンナからガッポリ慰謝料とった、ガイ・リッチーの映画、僕はあまり好きじゃない。
テキトーにスタイリッシュで、パズルみたいにいろんな要素がからんで、最後にまとまって、「どうです、みなさんスゴイでしょ」みたいな、映画。
これ、脚本作るのに頭脳を必要とするようにみえるから、一見「スゴイ」と思うかもしれないけど、
実は、それほど、リスペクトできるようなことじゃない。こういうのが得意な奴は腐るほどいると思うよ。
あくまで、僕の見方だけどね。
僕は仕事としては何でもやってきたけど、
観客としての僕は、どんな人間がどう描かれているか、にしか興味がない。
その意味で、ペンの映画は見ごたえがある。
- 2010/08/04(水) 02:43:03|
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WOWOWで録画しておいた「レスラー」を見た。
観客としての僕は「泣くために映画を観る」人間じゃないので、
「感動」とか「男なら泣ける」みたいな評判にちょっとばかりウンザリしていて、見てなかったんだけど、
とにかく、
わが身を見ているようで、いたたまれなかったね。
お前とこの映画の主人公のどこに共通項があるんだ!?といわれるとちょっと困るけど、
とにかく、ときどき疲れ切ってひどく孤独になるオッサン(女性も?)は、弱ってるときにみるとダメージあるかもしれないっす。
もちろん、悪くない映画です。
ミッキー・ローク、
「白いドレスの女」や「ダイナー」を劇場でみて、ちょっといい雰囲気の役者だな、と思った。
そして、なんといっても「ランブル・フィッシュ」で演じた伝説の不良・バイクボーイ(motorcycle boy)がよかった。
それ以後、スターになってからの作品は、あまり興味がないな……
「バーフライ」は好きな映画だけど。
(ちなみに、「バーフライ」の監督のバーベット・シュローダーは、フランスのオムニバス映画「パリところどころ」のプロデューサーのバルベ・シュローデルと同一人物。そして「パリところどころ」の中でも僕が一番すきなエピソードは「北駅」)
あと、完全に落ち目になってから、脇でチョロっと出てるキャラには魅力的なものもあったな。
せっかく人生が上手く行ってる(行きそうになってる)のに、
自分からすべてを台無しにしてしまう人間って、いるよね。
僕も、実際に、何人かそのタイプの人たちを見てきた。
「レスラー」以後の言動など、あくまで雑誌やネットで目にする情報だけだけど……
ミッキー、
せっかく再浮上してきたのに、またすべてオジャンにしそうな雰囲気、
ぷんぷんさせてます。
- 2010/08/03(火) 01:17:36|
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土曜には結構熱がでて、弱音を吐いてしまいましたが、
咳はひどいものの、なんとか悪化せずに持ちこたえてます。
今日も、夕飯は豚丼と餃子、ヨーグルト、ヤクルト、プリン、グレープフルーツ、&お煎餅、食べました。(食いすぎかな)
僕、結構具合悪くても、食い意地が張ってるせいか、メシだけは食べられるのよ(笑)
で、メシ食いながらテレビつけたら「おくりびと」やってて、早く寝なきゃと思いながらついつい最後まで見ちゃった。
狭い業界だから、滝田さんやプロデューサー、スタッフの人たちはもちろん良く知ってる人が多いんだけど、
考えてみたら、この映画に出てる役者さんたちとも僕結構、お仕事ご一緒させてもらってるんだよね。
モッくん、広末、杉本哲太さん、橘ユキコさん、小柳友貴美さん、とかね。
で、今日のタイトルの峰岸徹さんの話。
この映画で、出番は少ないけど重要な役で登場してたね。
この手のキャスティングはすごく大事なんだ。顔だけで語れる人じゃないといけないから。
もう15年くらい前かな。
実は作品としては結実しなかったんだけど、峰岸さんとYさんってプロデューサーがある映画を企画しててね、そのホンを僕が書いたの。
で、何度かお会いしたんだけど、とてもフランクで感じのいい人でさ。
芸能人っぽくないっていうか。
たとえば、役者さんの中には、食事に行くときもなるべく人目につきたくないから個室で食べたり、ジロジロ見られるのが嫌だから電車に乗らないとか、表歩く時にキャップにメガネで変装するような人もいるんだけど(実はそれって却って目立つんだけどね 笑)
なんていうか、究極の自然体。
役者さんと会うっていうと、ちょっと隠れ家的なお店とか、高級ホテルのラウンジとかなんだけど、
「渋谷駅の改札とかでいい」
って感じなの(笑)
で、プロデューサーが、少しイイお店まで移動してメシでも、って言っても、
「この辺のラーメン屋でいい」
って(笑)
餃子でビールのみながら、ひたすら映画の話をしたんだ。
その後、Yさんがらみの集まりで、何度かお会いしたかな。
で、僕がようやくホンを仕上げた後、
Yさんと峰岸さんも親しいミッキー・カーチス(歌手兼俳優だけど、一応、立川談志一門のミッキー亭カーチスでもある)さんの落語会&食事会が下町の古い料理屋の大広間であって、
僕とカミサンも呼んでもらい、出かけたんだ。
その帰り、
峰岸さんが、なんの前フリもなく、
「面白かったよ」
といったので、僕はてっきりミッキーさんの落語のことかと思って、
「はい。そうっすね」
って答えたんだけど、
峰岸さんは僕のホンのことをホメてくれたんだよね(笑)
顔から火が出る思いで、
「あ、いや、恐縮です!」
帰り、僕とカミサンと峰岸さんが三人とも渋谷方面だったんで、
三人で地下鉄に乗って、おしゃべりしながら帰ったの。
うちのカミサンは落研出身だったからミッキーさんの落語に関してはやんわり、注文をつけてたな(笑)
峰岸さんは笑って聞いていた。
知り合いヅラするほど親しかったわけじゃないけど、僕たちは峰岸さんの大ファンになった。
峰岸徹さん、そして同じく「おくりびと」に出ていた山田辰夫さん、もっともっと沢山映画に出て欲しかったね。ご本人たちもそう思ってたはずだよ。
惜しい。惜しすぎる。
「おくりびと」のラストを見ていて、うちら夫婦と峰岸さん、三人で地下鉄でおしゃべりしながら帰った時のことを思い出した。
その峰岸さんも、うちの妻も、もういない。
- 2010/04/27(火) 00:57:08|
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今年の米アカデミー賞授賞式、興味なかったんで録画してなかったんだけど、
ジェフ・ブリッジスが主演男優賞とったんだね。
そうと知ってれば、せっかくWOWOW入っているんだから録画しとけばよかった。
ジェフ・ブリッジスが出てる映画で好きなのはいろいろあるけど、
やっぱり、なんといっても、「サンダーボルト」かな。
クリント・イーストウッド主演で、ジョージ・ケネディも出てる、強盗たちの話。
この映画でライトフットってあだ名の若造を演じるジェフ・ブリッジスがいいんだよ。(この映画の原題は、サンダーボルト&ライトフット)
ラストがなんともいえなく切ないんだけど、これはいわゆる「男さわぎ」の映画だね。女子はピンとこないかも。
ジェフ・ブリッジス、顔的にいうと往年のスター、ジョン・ガーフィールド系だね。単純なハンサムじゃないけど、男前というか、いい顔してる。
ガーフィールドよりもブリッジスの方がやわらかいっていうか、タイプとしては不良度が高い気がするけどね。
カンケーないけど、顔のことでいうと、
昨日テレビで日本に新作の宣伝で来てるレオナルド・ディカプリオを観たんだけど、ちょっとふっくらしてて、オッサン臭くなってたな。好きな俳優なんだけど。
最初にディカプリオが出てきたとき、「こいつ、ジョー・ドン・ベイカー系の顔だな」って思ってたけど、
現在は、かなりフィリップ・シーモア・ホフマン系になってるような気がするんだけど……
どうかね。
- 2010/03/19(金) 14:05:11|
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浅草橋の「lucite gallery(ルーサイトギャラリー)」で舞台役者の洲永敬子さんがパントマイマーの橋本フサヨさんと二人でパフォーマンスする朗読公演「うせものいずる」(作:橋本フサヨ 演出:鄭義信
23日(月・祝)迄)を観にいったよ。
出だしちょっぴりアングラの匂いもする、不思議な味わいのパーフォーマンスで面白かった。でも、決して難しい舞台じゃない。
公演はこの建物の二階で演じられるんだけど、舞台の背後がちょうど隅田川で、船が見えたり、鉄橋の上を電車が走ってきたりして、建物の内部も外の景色や音、すべてが舞台になっているという趣向で、なかなか素晴らしかったです。
このルーサイトギャラリー、古い民家をほぼそのまま使用してるみたいで、浅草で鶯芸者としてもその名を馳せた市丸姐さんのご自宅だったそうだ。
一階も見せてもらったけど、いわゆるカタギのおうちとは一味違う、粋筋の匂いを感じさせる、とても雰囲気のある家だったね。
ネットで「ルーサイトギャラリー」で検索すれば、家の外側や内部の写真などを載せたブログがいくつかヒットすると思います。
その後、公演を一緒に見に行った仲間たち総勢十数人と浅草橋の居酒屋で飲み会。(僕は肝臓の数値がまだ下がり切ってないので、ウーロン茶でお付き合い。ビール飲みてえ!)
店に滞在すること、7時間! ま、多分、ウイークデーに問屋さん関係の人たちが利用する店だろうし、土曜日だったのでOKでしょう。
ひざびさに楽しい一日でした。
- 2009/11/22(日) 16:10:26|
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森繁さん、亡くなったね。享年96。
80年代前半、撮影所で装飾部の下っ端として働いてた時、森繁さん主演のドラマについたことがある。
当時、森繁さんは映画とテレビ両方で吉田茂を演じてた。吉田茂ブームだったんだね。
映画版のヒロインは夏目雅子、テレビ版は吉永小百合だった。
僕がついてたのはテレビ版の方。
当時、すでに撮影所では皆から「おじいちゃん」なんて呼ばれてたけど、考えてみると、当時まだ70にもなってなかったんだよね。
ロケの合間はいつも、椅子に座ってひざ掛けをかけて、お付きの人たちにいろいろ世話を焼いてもらってた。まさに、「ご老人」ってかんじだったけど、今思えば、実際はまだまだピンピンしてたんだね。
若々しく身体を動かすより、御身大切にして長生きした感じだね。身体の強い人っていうのは、ヘンに鍛えたりしなくても心臓が強いから長生きできるってことなんだろうな。
森繁さん、ワンシーン終るごとにモニターで自分を確認して、
「うん、似てる(ホンモノの吉田茂に)な」とニヤリとしてた。自分の演技に惚れ込んでる感じだった。
話が逸れるけど……
このときの撮影では、アホみたいなことがいっぱいあった。
日比谷の第一生命ビル(戦後GHQだったとこね)でロケしたんだけど、誰かが「戦後すぐは日比谷通りに白い車線があったら変だ」と言い出して、助監督たちが日比谷通りの通行を無許可でストップさせちゃって、演出部と美術部が通りの車線を塗りつぶしちゃったの(笑)
オレ、ローラー使ってグレーの塗料で車線を塗りつぶしながら、
「こんなことしたらただじゃすまねんじゃねえの」って内心、失笑してた。
案の定、すっとんで来たよ、丸の内警察が。激怒した警部クラスのおっちゃんたちが、目を血走らせながら、
「おまえら、なにやってんだああああっ!」って。
怒るのあたりまえだよ(笑)
あわてて、塗料を洗い流すことになってさ、オレ、先輩に「サイトー! ウエス持ってこい!」って言われて、「わかりましたぁ!」って、機材トラックに走ったの。
でもね、恐ろしいことに、大学卒のわたし、「ウエス」の意味をしらなかった。
「ウエスってなんすか?」って先輩に聞くことができないまま、機材トラックまで走っていって、そのままUターンしてきて「ウエス、ありましぇーん!」
センパイ「ねえわけねえだろうが! ウエス、もってこい!」
オレ「わかりましたあ!」って走っていって、また戻ってくる。
「やっぱりありませーん!」
他のスタッフが首をかしげながらウエスをとりに行ってくれた。「サイトー、いくらでもあるじゃねえか!」
スタッフが手にした布切れをみて、はじめてサイトウ青年は、それがウエスだと知ったのでありました。
あと、
「GHQの屋上の端で星条旗がはためく画が欲しい」ってカントクが言い出して、屋上に星条旗を立てることになったの。でも、固定するのが無理だから、装飾部と手の空いてるスタッフが、地上から狙うカメラのフレームに入らないように旗を支えることになったんだけど、その日は、強風でさ。
ゆれるのよ、旗が。
下からトランシーバーで「旗を揺らすんじゃねえ! オラ、旗を持つ人の姿が見えてるぞお!」
屋上組「風がやむのを待ちましょう!」
下の連中「バカやろう。パタパタとはためく画が欲しいんだよ。オラもっと、旗がよく見えるように前へ突き出せ!」
「わかりましたぁ!」と誰かが行った瞬間、一人屋上のヘリから落ちそうになった(笑)
オンエアを見たら、背景もGHQビルもへったくれもない。ただ、星条旗のアップが映ってるだけだった。
ま、映画やドラマの撮影なんて、こんなもんです。
このドラマ、脚本が笠原和夫さん(「仁義なき戦い」シリーズや「県警対組織暴力」などの傑作を書いた人ね)だったんだけど、
オープンセットでの撮影前に、助監督が美術の配置で悩んでるのよ。
「カメラがどの位置から狙うかまだわからないから」って。
でもね、オレ、台本読んで、カメラの位置すぐ分かって助監督に、「カメラはここですよ」って言ったんだけど、ピンと来てないみたいだった。
結局、撮影部が準備を始めると、僕が行ったとおりの場所にカメラはセッティングされた。だって、ホンを読めば分かるんだよ。
何を言いたいか、っていうと、脚本っていうのは、芝居やセリフだけじゃなくて、一読すれば、画までみえてくるものだ、ってこと。
その後、その助監督がカントクになったうわさは聞かないし、この業界にはもういないと思う。
また、話逸れまくりの、アホみたいに長い記事になっちゃった。
- 2009/11/11(水) 01:20:01|
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昨日、たまたま人とクリント・イーストウッド主演監督の「グラン・トリノ」の話をしていて、その話と別に、丹波哲郎さんの話が出た。
で、話をした帰り、街で傍若無人に振舞ってる、若い粗暴な一団をみた。誰かに危害を加えていわけではないし、通報する必要もないと思って僕は黙ってそれを見ているだけだった。(以前、人に危害を加えている連中を目撃したとき、自分で止めに入ることはできなかったが、通報はして、騒ぎは収まった)
「グラン・トリノ」と丹波さん、僕の中で、あることでつながってるんだ。
「グラン・トリノ」のイーストウッドは、ワルい若者たちを見てみぬふりなんかしないよね。
昔の日本、僕が子供のころはこういうオジサンが一杯いたんだ。すくなくとも、傍若無人な若者たちにビビるなんてことはなかった。なぜかって? 恐らく……みんな若いころに戦争に行って、銃弾をかいくぐり、撃たれたり、刺されたり、周りの仲間が大勢死んだり、自分も人を殺したりしてきたから、腹の据わり方が違っていたんだろうと思う。(戦争に行くのが良いと言ってるわけじゃないよ)
あるいは、戦争に行かなくたって、みんなが命を張って生きてたから、肝の据わり方が違っていたんだとおもう。
ちなみに僕の母方の祖父は、三回も徴兵されてる(田舎では「いいとこの息子」は徴兵を免れていたようだ、ブッシュみたいに)。じいさん、最後は、地獄のニューギニアで生き残って帰ってきた。
生きたヘビやカエルを食えない陸軍士官学校出や大学出の将校たちに自分の食料を分けてやったりしたけど、みんな下痢しながらバンバン死んでいったという。
よく、人を食べる現地人たちの話を面白おかしく話していたけど、自分も最後には人間を食べて生き残ったんだろうね、多分。狩猟と釣りが趣味で「山が崩れても動かない」といわれた人だった。ビビリ屋の僕とは正反対の人間です。
話を戻そう。
丹波さんとは映画でご一緒したことがあるんだ。
たまたま、丹波さんの出番の日に、僕はセットにいた。
うわさどおり、撮影には大幅に遅れて到着(笑)
そしてまた、うわさどおり、「ようし、わたしが来たからもう大丈夫だ。安心してくれっ!」
みんな、あんた待ち、だったんだ、っての(笑)
しかも、さあ撮影という前に、「トイレ行ってくる」
照明さんもカメラさんも音声さんも俳優部も全員準備万端なんだから、セットに入るまえに済ませておいてよ(トホホ)
でも、僕は丹波さん、ゼンゼンきらいじゃない。っていうか、大好きだよ。
丹波さん、立場が上の連中には一切媚びないし、態度も横柄なんだけど、下の方のスタッフに対してはえばらないし、実はすごく気をつかうのね。
話がわき道にそれまくりだけど、今度こそ、最初の話に戻すよ。
その丹波さんが、こういうことを言っていたのね。
「街で傍若無人な若いやつらをみたら、わが身大事さに見てみぬふりをするなんでのはダメだよ。
こっちがもう体力のないおっさんだろうが爺さんだろうが、やっちゃえば、いいんだよ。
それで、仮に、やつらに殺されたって、いいんだよ。
『ああ、あいつは若いバカ相手に本気になって、あげくに殺されて、無駄死にだ。バカなやつだ』
そう人に言われたっていいんだよ。やっちゃえば、いいんだよ」
百パーセント同感です。自分が実際できるかどうかわからないけど。
もちろん、いきなり手を出すのはまずいかもしれない。でも、まず、口で注意できるくらいの男になりたいね。
みんな、『オレには親もいる。嫁や子供がいる。だから死ねない』なんていうかもしれないけど、
そんなのは、ただの言い訳にすぎない。
死んだうちのカミサンに昔、聞いたことがある。
「もし、僕が周りの人に迷惑かけてるワルそうな奴ら注意して、殺されたらどうする?」
「そんなの絶対にイヤだし、逃げてほしい。でも、もし、それであなたが死んで、皆にバカにされても、あたしはあなたを誇りに思う」
世の中を良くすることのひとつは、こういう心意気みたいなものなんじゃないかな。
- 2009/09/21(月) 13:46:12|
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今日なにげにテレビつけたらNHKで緒形拳の特集やってた。
緒形さんとは「国会へ行こう!」って映画でご一緒させていただいた。
セットで挨拶したらホンを褒めてくれて嬉しかったな。
思ったより顔が小さくて背が高かった。
緒形さんて媚びない役者さんって印象だね。
役者の中には力のありそうなプロデューサーや監督、脚本家にだけ、やけに愛想のいい人がいる。
でも、僕は監督とかに媚びない人が好き。特定の人に対してだけ愛想がいいんじゃなくて、誰に対しても対応が同じって人はいいよね。緒形さんはそういう感じの人だった。
僕がセットにいた時の本番で、緒形さん、セリフを間違えたんだ。もちろん、ミスしない役者さんなんかいない。
明らかにNGだったんだけど、監督も助監督も黙ったまま。
結局緒形さんが自分から「あ、オレまちがえたな。やり直そう」って行って、最初の立ち位置に戻っていった。演出部はホッとした笑顔で、「あ、そうですね。お願いします」って(笑)
全然タイプは違うけど、
媚びないって言えば、「秘密」で仕事させてもらった小林薫さんもそう。
プロデューサーや監督に対しても意味なく愛想よくしたりしない。
無愛想ってことじゃないよ。誰に対しても対応が同じなの。
小林さん、その年の日本アカデミー賞の優秀主演男優賞に選ばれたんだけど、その授賞式が面白かった。
ステージの上に高倉健ら優秀賞の男優が5人くらい並ぶんだけど、他の男優たちが卑屈なくらい健さんに気を遣うんだ。「もし健さんを差し置いて自分が最優秀賞に選ばれてしまったら切腹ものだ」くらいの表情なのね。
最優秀賞発表の前に一旦全員がステージを下りて席に戻るんだけど、小林さん以外の男優連中が、まるでダチョウ倶楽部のギャグみたいに「どうぞどうぞ(お先に)」と健さんに先をゆずるなか、小林さんだけはわれ関せずでサッサとステージをおりたんだ。
俺は、こういう小林さんが大好きだね。
他人をリスペクトする気持ちは大切だと思うけど、人間は基本的に対等だよ。
僕は特定の人を崇めたり、過剰に持ち上げたるするのは好きじゃない。
健さんだって、嬉しくないと思うよ。
健さん、もう80に近いと思うけど、セコくて笑える不良ジジイの役とかやってくれないかな。絶対に似合うと思う。今あたためてるオリジナル企画でそういうキャラの健さんにぴったりの役があるんだけど。
健さんと仲のいい業界人何人か知ってるから、電話番号きいて今度、直電してみよう。
健さんに直電……やっぱ、考えただけで若干足がすくむね(笑)
- 2009/07/01(水) 23:49:49|
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